2020年09月25日
遊って何よ
俺には今の「ぱちんこ」が分からないのだ。
知識として知ってはいるものの、一種二種とか言われてもいまいちピンとこないし、これだけ複雑で多種多様なスペックの中から自分の好みに合ったものをチョイスするのだから一般的な「ぱちんこ打ち」の人の勤勉さには頭が下がる思いだ。
というかみんな分かっているのかと。台横のPOPについている円グラフを理解しているのかと。(そりゃ分かっているのでしょうが)
で、おそらくこれには逆のことも言えると思う。
実際に「ぱちプロ」と呼ばれる人から「今のスロットは難しい」と言われた事もあるし、俺がスロット打ちでなければ同じ事を思ったのかも知れない。
誤解を恐れずにいうのなら「ぱちんこ・パチスロ」なんてものは一般ユーザーにとっては只のゲームや只のギャンブルにすぎないし、もっといえば只の時間潰しだ。
退屈な人生の中で何かを忘れる為の時間であり、何かを考える為の大切な時間だ。
ゲームやギャンブルは気軽に遊べるからこそ素晴らしい。ただし、勝つ為には努力をしなければいけない。だからこそ奥深い。
やれ無抽選区間。やれ天井。やれ有利区間継続。やれ周期抽選。やれポイント。
知らない人にそれらの理解を求める事は、いささか傲慢なのでは。というか、ハナっから一見さんを相手にしてねぇだろ。拘りがありすぎて店主のワガママを押し付けてくるラーメン屋は商売をせずに家でラーメンを作って悦に浸っておけばいいんだよ。
好きに食わせろ。意識の高い食事をしたいのならば、そういった所を選ぶさ、俺だって。
で何だ。遊タイムだ??
一体、娯楽は何処にいっちまったんだ。
……なんて事をお金LOVE、お金大好きな俺が言った所で何の説得力もないかも知れないが、俺にだって時間を潰すためだけにパチスロが打ちたくなる事もある。
大好きだった爺ちゃんの葬式の後。ばあちゃんの葬式の後。慕ってくれていた後輩の訃報を聞いた時。
俺は決まって一人でパチスロを打ちにいった。爺ちゃんの時は海物語だったかも。
当たり前ではあるが、勝ちたい訳ではないのだ。ただ一人になりたかった。なら山や海にいけと言われるのかも知れないが、人が本当に一人になれるのは「誰か」他人がいてこそだ。決して触れ合えない他人の暖かさを感じながら俺は何も考えずにリールを回していた。
ま、落ち着くんだよ。やっぱりさ。
ちなみに彼女に振られたクリスマスイブには初代北斗でラオウが天に還ってくれたからね。あぁ思ったさ。俺にはこれしかないのかなって。
大なり小なりこういった経験って誰しもにあると思う。そういった「何も考えたくない」時にだって何も考えずに遊べる。そして何故か勝っちまって自虐的な笑みを浮かべてしまう。それが娯楽だと俺は思う。
そんな時に考えたいか??
ムカつく上司から逃げ出したい時に考えたいか??
たかが「ぱちんこ」でそこまで考えたいのか??
遊タイムまで「後◯◯ゲームだから打たなきゃ損をしてしまう」ってさ。めんどくせぇだろ、そんなもん。
これはパチスロにも言える事だ。パチスロの天井機能は確実にゲーム性の幅を狭めている。有利区間の問題があるから仕方がないにせよ、やはり天井を意識してしまうゲーム性は歪だ。
個人的な意見だけど、6号機最大の問題点は2400枚ではなくて有利区間1500Gなのだ。これがあるせいで純増が3枚の機種なら最大天井を約700G、残り有利区間を800Gといった形にせざるを得ない。(していない機種も多いが)
もっと天井は深くてもいいのだ。
そうすりゃ『リゼロ』や『北斗天昇』のような3タテ方式だって魅せ方を変えられるはず。『ゆるはーです』の天井も低すぎる。当たりが重くてもある程度は許される。それが(スピンオフにせよ)GODだろ。
天井を意識する事により一定以下の資金では打ちづらくなってしまう。
そして一定以上の資金を持ってパチスロに挑む奴ら……つまりヘビーユーザーしか残らない。だって『青鬼』をイチから打とうと思ったら最低でも1万円はいるよね。天井まで(低設定)なら当たらねぇんだもん。1万円は初心者にとっては大金だぜ。
青鬼は分かりやすすぎる一例ではあるが、この仕組みで新規顧客をどうやって獲得していくというのか。
これと同じことが今の「ぱちんこ」における遊タイムにも起こっているのでは。エナ専門の方の徘徊ルートが増えただけなのでは。比較的、年配層の多い「ぱちんこ島」が荒れてしまうだけなのでは。使う金額が増えてリタイアするユーザが増えるだけなのでは。
トマトラーメンとかファアグララーメンとか豆乳ラーメンとか……そういった凝りが過ぎたラーメン屋が生き残ることはごく稀だ。
何故なら、ラーメンに誰もそれを求めていないからだよ。
CLOSED BGM
不協和音 / 欅坂46